人妻！人妻！人妻！

上記の広告は１ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

登場人物

木下　美里：主婦（32歳）
木下　一　：単身赴任中（30歳）
木下　浩太郎：息子（3歳）

＊登場人物、内容はフィクションです。

５．返信

　ベットに横になった美里は暫くの間だ眠りに付くことが出来なかった。
一度はその気になった躰、それを断ち切る一の電話、届き続ける誤信メール。
「ふぅ、、、」
溜息と共に何度目かの寝返りを打ち、浩太郎の頭を撫でる。
「寝なきゃ、起きれなくなるな、、、」
美里が目を瞑ったその時、携帯がメールの着信を知らせた。
「あっ、、、！」
美里は慌てて体を起こし、携帯を開いた。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
さやかへ

何故連絡をしてこない？
主従関係を破棄したいのですか？
そのつもりでしたら、以降返信は要りません。
また、私からも連絡を絶ちますので。
お幸せに･･･
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

「えっ、、、それって、、、」
美里の手は汗ばみ、くらくらと目眩がした。
美里は布団に潜り、携帯と目をを閉じた。
　　”この人、気付いてないの？”
　　”これで別れたら･･･私のせい？”
　　”無視して良いの？誤信だって教えた方が･･･”
誤信メールを覗き続けた後悔が美里を襲い、胸が苦しくなる。
「どうしよう、、、」
美里は布団から抜け出し、リビングのソファーに腰を掛けた。
携帯を眺め、何も罪のない”さやか”が勘違いで捨てられる。
「誤信だって伝えなきゃ、、、」
美里は一人呟き、携帯を打ち始めた。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
夜分遅くにすいません。
昨夜から間違ってメールが送られて
来ているのですが･･･
私はさ”やかさん”ではありません。
アドレスを確認なさってから、お送り下さい。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

美里は送信ボタンを押し、携帯を閉じた。
「これで良いかな、、、」
メールを返したことにより、メールを覗いた後悔と謝罪の気持ちが軽くなった気がした。
「よし、寝よう、、、」
美里がソファーから立ち上がった時に、携帯がメールの着信を知らせた。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
ご親切な方へ

夜分遅くにすいません。
誤信メールの件、深くお詫び申し上げます。
貴方様の仰る通り、アドレスが間違っていました。
此方の勘違いで、関係を終わらす事が無く、
併せて感謝いたします。
ご迷惑をお掛けしました。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－　

「んっ、、、」
美里は事が上手くまとまり、少しだけ気分が良くなり自然と笑みがこぼれる。
「さぁ、寝よう！」
腕を大きく伸ばし、頭を振りながらベットに潜り込んだ。

６．着信Ⅳ

　カーテンから零れる日差しが、寝室を照らし徐々に明るさを増していく。
暖かい布団に包まれ、浩太郎の寝息が顔に掛かる。
美里は小さな幸せを感じつつ、微睡みの中にいた。
誤信メールのおかげで少し寝不足気味ではあるが、心の荷が降りた感じがしていた。
浩太郎と共に布団を抱き寄せ、浩太郎のおでこにキスをする。
「んっ、、、起きるかな～」
言葉とは裏腹に美里は布団に潜り込み、枕を引き寄せる。
「起きないと、あぁ～起きたくない～もうちょっと、７時まで、、、」
美里は時間を確かめるため、携帯を手に取った。
「えっ、、、？！」
メールの着信に眠気が一気に吹き飛び、思わず声を上げてしまった。
「なぜ、、、？」
終わりだと思っていた誤信メールが再び届いていた。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
ご親切な方へ

さやかとは連絡が取れました。
ご心配をお掛けして、申し訳ありませんでした。
ところで確認なのですが、
以前お送りしたメールに添付していた物ですが、
見られましたでしょうか？
消去をして頂きたく、メールを致しました。
勝手ではございますが宜しくお願いいたします。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

「えっ、、、そうね、そうよね、、、」
美里は寝息を立てる浩太郎を一瞥し、携帯のファイルを開いた。
誤信メールからの淫靡な写真。快楽に身を委ねる淫猥な女の姿。
美里にとってどれも魅力的で、消去するには心が引けた。
　　”消去した事にすれば･･･判りっこないし･･･”

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
写真の件ですが、中身は見ておりません。
添付していた物も、今消去いたしました。
ご安心下さい。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

「これで良し。さっ、起きよ～」
美里は大きく伸びをし、体に残る眠気を飛ばした。
着替えを済ました美里はテーブルに携帯を起き、朝食の準備に掛かった。
浩太郎がいつの間にかテレビの前でボーっと座り込んでいる。
テキパキと調理を済ませ、浩太郎を椅子に座らせる。
「はぁ～い！ご飯出来たよ～」
浩太郎に笑いかけながら、朝食をテーブルに並べた。
「ママ！けーたい！パパ？」
浩太郎が携帯の着信に気付きガタガタと椅子を揺らした。
「えっ、違うよ～ほら、頂きますして！」
美里は携帯を開き着信を確認した。
また誤信メール。いや、目的は美里なのだから既に誤信メールでは無くなっていた。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
ご親切な貴女へ

見てしまったみたいですね。
私は写真など一言も言ってないのですが･･･
嘘が下手なのですね。
これで、消去したという貴女の言葉が信じれなく
成りましたね。
そこで提案が有ります。
貴女がその写真を外部に出さない保証を頂きたい。
どんな事でも結構なのですが。ご一考下さい。

P.S.自己紹介まだでしたね。
仮に”海”とお呼び下さい。では。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

「えっ、、保証って、、、？！」
美里の顔が曇り全身から汗が吹き出た。
「ママ！どしたの？おなかいたいの？」
美里の変化を浩太郎は見逃さず、顔を覗き込んでくる。
「んっ大丈夫。何でもないから、食べちゃいなさい」
美里は努めて明るく振る舞ったが、携帯を握る手に力が入った。

←前を読む　　続きを読む→