人妻！人妻！人妻！

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携帯電話と人妻

登場人物

大山　美奈子：４２歳
大山　達男　：４６歳
大山　光男　：１８歳

桜庭　茂　　：１９歳

＊登場人物、内容はフィクションです。

３．照れ隠しの小言

　面と向かって俯くうちに、恥ずかしさが込み上げてくる。
目の前に座る茂も顔を赤らめたまま、コーラを啜っていた。
「あっ、、」
「あの、、、！」
意を決したように顔を上げ、言葉を発したのは二人同時だった。
美奈子は再び顔を赤くさせ、俯いた。
「あっ、、あの、、、美奈子さんから、、どうぞ、、、」
「えっ、、じゃあ、、」
美奈子は赤くなった顔を上げ、茂を見据えた。
「桜庭君って、、、」
「茂で良いです、、、」
「じゃあ、、、茂君って何時もこんな事してるの？」
「こんな事って？」
「携帯で、相手を捜してデートしたり、、、」
「いや、、、初めてです、、、」
「ダメよ、、、茂君は若いんだから、ちゃんとした彼女見つけないと」
「彼女って、、、」
「あっ、、いや、、、そう言う意味じゃ、、、」
美奈子は誤解されないように取り繕いつつ、顔が赤くなってくるのが解る。
「じゃあ、美奈子さんは？」
「えっ！？わっ、、私だって初めてよ、、、」
「じゃあ、お合い子ですね」
茂が顔を崩して笑った。
「私は、、ただ、、、夫も、息子もいるし、、、」
「暇つぶしですか？」
「えっ、、ええ、、、」
思わず頷いた美奈子に茂の顔が一瞬曇る。
「でも、嬉しいです。暇つぶしでも、こうやって来てくれたから」
茂の作り笑いと寂しそうな目に美奈子の胸が締め付けられた。
「だっ、、だから、こんなおばさんじゃなくて、もっと若い彼女を見つけないと」
心とは裏腹に、美奈子の口からは小言が続く。
茂の俯く顔に、寂しそうな瞳に、母性本能がくすぐられていく。
「き、今日はこれからどうするの？」
「あっ、何処か行きたい場所とか有ります？」
「う～ん、、、、どこかって言われても、、、茂君は何時も何処で遊ぶの？」
「う～ん、、そうだな～ゲーセンとか？」
「ゲーセン？」
「ゲームセンターとかカラオケとか、、、」
「ゲームセンターか、、、最後に行ったの何時だったかしら、、、」
美奈子は顎に手を当て、考え込んだ。
「じゃあ、ゲーセンに行きましょう！」
「そうね、楽しそうだし」
「そうと決まれば、食べましょうか」
茂が冷え切ったハンバーガーを口に頬張り、美奈子に笑いかけてきた。
「すっかり冷めちゃったね」
美奈子もハンバーガーを手に取り、笑みを浮かべた。

４．ゲームセンター

「そこそこ！早く！！あっ！！あぁぁ、、、」
「やられちゃった～」
「美奈子さん、もっと早くしないと～」
「だって、早すぎるんだもん、、、」
美奈子は頬を膨らませ、笑った。
昔のゲームセンターとは違い、明るい雰囲気に美奈子ははしゃいでいた。
そんな美奈子を眺め、茂も笑っていた。
「じゃあ、美奈子さんでも出来るあれやりましょうか」
茂がエアホッケーを指した。
「私でも出来るって、どういう意味？」
美奈子はわざとらしく腕を組み、茂を睨んだ。
「あっ、、いや、、、別にそんな深い意味は、、、」
しどろもどろになる茂を睨み、美奈子は笑った。
「私が勝ったら、何してくれる？」
美奈子は悪戯っぽく微笑み、茂を見つめた
「えっ、、、？」
「そうだな～じゃぁ、あれ取って」
ＵＦＯキャッチャーの景品を指さした。
「じゃあ、俺が勝ったら？」
「そうね、、、また会ってあげる」
「ホント！？」
「その代わり、ハンデは、、、そうね、、、５点貰うわよ」
「え～！！そんなに？」
「嫌だったら良いわよ、次のデートは無しだからね」
美奈子は再び悪戯っぽく笑い、茂を見つめた。
「やる！」
「良し！それでこそ男の子！」
美奈子はニコリと笑い、コインを入れた。
「行くわよ～それ！」
美奈子は勢い良く小さなプレートを弾き、小気味よい音が響いた。
二人は夢中でプレートを弾き、美奈子のハンデはあっという間になくなった。
「後３点で、俺の勝ちですよ！」
茂が勝ち誇ったように口元に笑みを浮かべた。
「ハンデが少なすぎたわ」
美奈子も笑いながら前屈みになり、茂の打球に備えた。
「あっ、、」
当たりそこ無いのヨロヨロとしたプレートが美奈子の目の前に滑り付く。
「いくわよ～それ！！」
美奈子は力一杯に打ち返し、プレートがゴールに飲み込まれていく。
「やった！おばさんパワーを舐めちゃいけないわよ」
美奈子は万歳をしながら、飛びはね喜んだ。
「、、、、」
茂が悔しそうにプレートを眺め、再び打ち始めた。
茂の打ち出す打球には鋭さが無く、美奈子は容易に打ち返す。
「やった～！後１点先に取った方が勝ちよ！」
ゴールと同時に美奈子は飛び跳ね、茂を睨んだ。
茂は美奈子から視線を逸らすようにプレートを見つめていた。
「どうしたの？」
「いや、、何でもない、、、」
「本気で打たないと、負けちゃうわよ？」
美奈子は笑いながら、茂を睨んだ。
「んっ、、、行くよ！」
茂が前屈みに成り、続いて美奈子も前屈みになる。
なかなか打ち出さない茂の顔に目を向けると、茂と視線が重なった。
「えっ、、？」
「あっ、、いや、、、行くよ！」
打ち出されたプレートに視線が戻され、美奈子は打ち返した。
茂の打球は力無く、美奈子は体を台に投げ出すように手を伸ばし打ち返した。
「ぁっ、、、」
茂の動きが止まり、プレートがゴールに滑り込む。
「やった！私の勝ち、、、、、？」
プレートがゴールに飲み込まれた後も、茂の視線は美奈子に向けられていた。
「えっ、、、？」
「あっ、、いや、、、」
美奈子の声に茂は視線を落とし、顔を赤くしながらプレートを拾い上げた。
悔しそうに俯きつつ、美奈子に背を向ける茂。
「おばさんだと思って、油断したんじゃないの？」
「そんなこと、、、」
俯き不自然に腰を引いた茂を見て、美奈子は小さく声を上げた。
「あっ、、、」
ある時から、茂の集中は途切れ、視線が不自然に泳いでいた。
「もぅ、、、エッチ、、、」
美奈子は胸元を両手で押さえ、茂に背を向け頬を膨らませた。
「だって、、、つい、、、」
茂が慌てて美奈子に駆け寄り、済まなそうな顔をする。
「集中しないから、負けるのよ。約束通り、次のデートは無しね」
美奈子は茂をからかうように笑い、その場を後にした。
「そっ、、そんな～」
怒られた子犬のようにしょんぼりと着いてくる茂に美奈子は振り向き腰に手を当てた。
「さぁ、次は何で勝負する？それとも諦める？」
悪戯っぽく笑う美奈子に、茂が笑顔で答えた。
「じゃぁ、カラオケで勝負！」
「よし！それでこそ男の子！」
二人は笑いながら、ゲームセンター内のカラオケボックスに向かった。

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