人妻！人妻！人妻！

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携帯電話と人妻

登場人物

大山　美奈子：４２歳
大山　達男　：４６歳
大山　光男　：１８歳

桜庭　茂　　：１９歳

＊登場人物、内容はフィクションです。

５．カラオケ

「また私の勝ち～！」
「この機械絶対変だよ！」
「どう言うこと？私が下手だとでも？」
「そうじゃなくて～」
茂と美奈子は互いに３曲づつ歌い、美奈子の３連勝だった。
美奈子はニコニコと得意げに胸を張り、腰に手を当てた。
「喉乾かない？何か頼もうか」
美奈子はメニューを取り出し、テーブルに広げた。
「茂君は？何飲む？」
茂はマイクを置き、美奈子の隣りに座った。
「え～っと、、何があるの？」
美奈子が覗き込むメニューに、頭を並べるように茂は飲み物を探した。
「ぁ、、、、」
美奈子は小さく声を上げ、ソファーに座り直す。
カラオケボックスに入り、初めて二人っきりの状況を意識させられる。
暗い室内のおかげで赤くなった顔を見られずに済み、胸をなで下ろした。
茂はそんな美奈子に気付かず、飲み物を頼むのに夢中になっている。
「何飲むか決まった？」
美奈子は平静を装いながら、茂に声を掛けた。
「昼間っからビール飲んじゃおうかな～」
「あっ！ダメよ。まだ未成年でしょ？」
「大学で飲んでるから、大丈夫ですよ」
茂はニコニコと笑いながら、胸を張った。
「え～じゃあ、私も飲んじゃおうかな～」
「飲んじゃえ、飲んじゃえ！」
無邪気に勧める茂に苦笑いしつつ、美奈子は青リンゴサワーを指さした。
「じゃあ、これ！」
美奈子は立ち上がり、ビールとサワーを注文した。
二人は飲み物が来るまでの間だ、パラパラと歌本をめくった。
「お酒は結構飲むの？」
美奈子の言葉に茂は顔を上げる。
「ん～大学でね。飲み会とかたまに有るし、、、」
「あまり飲み過ぎちゃダメよ。未成年なんだし、、、」
「今日は保護者同伴だから」
茂は笑いながら、美奈子の顔を覗き込んだ。
「保護者って。どうせ、おばさんですよ」
「あぁ、、そう言う意味じゃなくて、、、」
「じゃあ、どういう意味？」
「うっ、、、」
「ふふふっ、冗談よ」
困り顔の茂に笑いかけ、美奈子は髪を掻き上げた。
「、、、良いな～」
美奈子の仕草を見つめる茂が、ボソっと呟いた。
「何が良いの？」
「美奈子さんみたいな綺麗なお母さんって、、、」
茂の目が美奈子に注がれ、美奈子は顔を赤くした。
「なっ、、そんな事言ったって、、、何も出ないわよ、、、」
美奈子は照れ隠しに赤くなった顔を歌本に向け、パラパラとページをめくった。
押し黙ったままの茂の視線が注がれているのが分かる。
「あっ、、あの、、！」
沈黙を破る茂の声と、ドアが開く音が重なった。
「お待たせしました～！ビールと青リンゴサワーになります！」
元気に営業スマイルを振りまきながら、店員が室内に入ってきた。
「あっ、サワーは私！」
思わず大きな声で手を挙げ、美奈子は立ち上がった。
「はい！此処置きますね～！」
言いかけた言葉を店員に邪魔された茂は、ばつの悪そうな顔をしビールを受け取った。
店員が頭を下げ、ドアが閉められたのを確認してから美奈子はグラスを持ち上げた。
「じゃあ、乾杯しようか？」
美奈子は話題を逸らそうと茂に笑いかけ、グラスを差し出した。
「うん、、、じゃぁ、、乾杯！」
カチンという乾いた音が部屋に響き、グラスに口を付けた。

６．ほろ酔い

「あぁ～～っ美味しい、、」
「ぷは～っ！！！」
カラオケで乾いた喉が潤わされ、二人とも顔を見合わせ微笑んだ。
「ほら、歌わないと時間が勿体ないわよ」
「次は美奈子さんじゃ、、、」
「あら、負けたまんまで良いの？」
「あぅっ、、、歌います、、、」
「頑張れ～！」
美奈子は歌を探す茂の横顔を眺め、目尻を下げた。
「よしっ！これで逆転だ！」
茂は勢い良く立ち上がり、ビールを流し込むと小さなステージに向かいマイクを手にした。
「よっ茂！頑張れ～！」
美奈子は茂に声を掛け、答えるように茂はガッツポーズを見せた。
前奏に続き、茂が歌い出す。
誰の曲か解らなかったが、美奈子は手を叩き体を揺らした。
気持ちよさそうに熱唱する茂が可愛く見え、自然と頬が弛む。
歌い終えた茂が真剣な眼差しで採点結果を待ち、大きな声と共にその場に崩れた。
「あぁっ！！今度こそ絶対勝ったと思ったのに、、、、」
美奈子は口に手を当て笑いながら、手を叩いた。
「歌上手だったよ」
「でも、負けた、、、」
「そんなに落ち込まなくても良いんじゃない？」
「だって、、、デートが、、、」
茂の落胆振りに、美奈子は可笑しくなり声を出して笑った。
「そんなに笑わなくたって、、、」
茂はステージの上であぐらを掻き、頬を膨らませる。
「ごめんごめん。だって、あまりにもしょげるから、、、」
美奈子は笑いすぎで流れる涙を手で拭い、グラスに口を付けた。
「じゃぁ、、、また会ってくれる？」
「う～ん、、、どうしようかな～」
美奈子は茂を焦らすかのようにグラスを傾け喉を鳴らした。
「楽しかったらね」
美奈子は静かにグラスを置き、茂に微笑み掛けた。
「えっ、、！やった！！」
茂が勢い良く立ち上がり、ステージで飛び跳ねる。
「まだ会うって事じゃ、、、」
美奈子の声は、喜び跳ねる茂には届かなかった。

　その後も、茂は採点結果に文句を垂れながらも、笑い、歌い、グラスを傾けた。
美奈子も茂につられ、青リンゴサワーを２杯飲み干していた。
「あぁ、、、結構飲んじゃったな、、、」
「まだまだ！これからじゃないですか！」
「帰ったら晩ご飯の支度もあるし、、、酔っぱらう訳には、、、」
「えっ、、、もう、、帰るの？」
「もうちょっとしたら、、」
美奈子は時計を見ながら呟いた。
いつの間にか３時を廻っている。
時計の針が二人を現実の世界に引き戻す。
ソファーに座った茂の顔が見る見る曇り、思い詰めたように黙り込んだ。
「ほら、楽しませてくれるんじゃなかったの？」
美奈子は努めて明るく振るまい、茂に声を掛けた。
「、、、、あっ、、、あのっ、、、」
「んっ？どうしたの？」
「あの！何か、、、何か記念に、、、貰えませんか！」
「えっ！？何かって、、、言われても、、、」
茂の顔がアルコールとは別に、赤くなっていく。
「みっ、、、美奈子さんの、、、、」
「えっ、、？」
「あの、、、ぱっ、、、」
「ぱ？」
「パンツください！」
茂はソファーから飛び降り、額を床に擦り付けた。
「なっ、、何言ってるの！？」
「お願いします！」
「そんな事、、、出来るわけ無いじゃない、、、」
美奈子は恥ずかしさに顔を赤くし、美奈子以上に真っ赤になった茂を見つめた。
顔を上げた茂は今にも泣き出しそうに美奈子を見つめる。
「、、、ダメ。ダメよ。ノーパンで帰るわけに行かないもの、、、」
「、、、、、、」
怒られた子犬のように、茂は黙って美奈子を見つめる。
「もぅ、、、解ったわ、、、恥ずかしいから目を瞑って」
「えっ、、、じゃあ！」
茂の顔がパッっと明るくなる。
「早く。目を瞑らないと、、、」
「瞑る！瞑ります！！」
茂は土下座したまま顔を上げ、目を瞑った。
「、、、、もぅ」
美奈子はソファーから立ち上がった。
茂の体がピクッと動き、美奈子の気配を感じ取ろうとしている。
美奈子は溜息を一つ吐き、前屈みに体を倒した。
「んっ、、、」
目の前に座る茂の唇に軽くキスをしする。
「えっ、、、！」
茂の目が大きく見開かれ、美奈子に向けられた。
「はい！今日はこれでお終い」
美奈子は体を起こし、唖然としたままの茂を見下ろした。

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